ビルの看板の隙間から激しく噴き出す炎。1人がある異変に気づき駆け出します。
その先では背中に火がついた男性が。周囲の人がコートで叩くなどして消火します。
このとき助けた男性が当時の生々しい状況を語りました。
「階段から最初に女性が1人、その後男性が1人、服に火がついたまんま『熱い助けて』って言って降りてきました」
「女性の方は顔真っ赤にやけどして、店の制服だと思うんですけど」
「ショートパンツに、肌がものすごい露出してるんですけど、やけどというかちょっと黒くなったり」(すべて消火を助けた男性)
爆発があったのはススキノ交差点から100メートルほど南に行った雑居ビルの2階。
関係者によりますとバケツを手にした40代の男がビルに入り階段をあがります。
2階の店に入るとバケツに入ったガソリンのような液体で火をつけると爆発。この男のほか近くにいた従業員の20代の女性と客とみられる30代と50代の男性が全身をやけどするなど病院に運ばれました。
このうち40代の男は搬送時意識不明の状態です。
今回現場となったのはガールズバーです。
「いらっしゃいバニー!」(女性従業員)
女性従業員がカウンター越しに客を出迎え酒などを提供します。これは爆発のあった店とは別の系列店を取材した4年前の映像です。
ススキノを中心に展開し客足が減ったコロナ禍では昼から営業を始めるなど苦境を乗り切ました。
「昼の客は一緒にランチを注文したりとかして一緒に食べたりする」(女性従業員)
爆発から一夜あけて…
「いまシャッターが開けられ警察と消防が火事のあったビルに入っていきます」(鎌田祐輔記者)
警察が現場検証を始め出火当時の状況などを確認。
「通った瞬間に爆発が起こった。両手や髪の毛が燃えた人がなかから出てきた」(目撃者)
いったいなぜ、男は繁華街ススキノで火をつけたのでしょうか。
「その男性の証言いわく、何者かが液体をかけ火をつけたと。その方はパニックなりすぎていてギリギリの状態でした」(目撃した女性)
いまも意識不明のこの男。ケガをして搬送された従業員の20代の女性との間に交際を巡るトラブルが…。
一方が11月に入り別れ話を持ち出していたとみられています。
警察は無差別ではなく何らか狙いを持ってガールズバーに火を放ったとみています。
一方、今回の爆発を火災予防に詳しい専門家はどう見ているんでしょうか。
「ガソリンの可能性が非常に高いのかな」
「(ガソリンは)引火点がマイナス40で着火する」
「何らかの火種があればすぐ着火して爆発的に燃える」
さらに今回の被害状況については。
「3階以上にですねもっとお客様が入っていたら」
「大勢の方がなくなる危険性があった火災だった」(市民防災研究所 坂口 隆夫さん)
警察は11月27日の現場検証で男を現住建造物等放火の容疑者としていて、今後、回復を待って事情を聴きたいとしています。
過去にも同様の放火事件が起きています。
2019年には京都の「京都アニメーション」に侵入した男がガソリンをまいて放火し、社員36人が死亡、32人が重軽傷を負う事件が起きました。
また201年にも、大阪の心療内科で、患者だった男がガソリンをまいて放火し、本人が死んだだけでなく、スタッフや患者25人が死亡しています。