接客するメイドが全員65歳以上のカフェがある。高齢者を元気にする居場所づくりを掲げ、奮闘するメイドたちの取り組みを取材した。
■65歳以上のメイド接客…高齢者の居場所づくり
群馬県桐生市にあるのは、65歳以上のシニアメイドが接客する、その名も「冥土喫茶しゃんぐりら」。入り口を入り、最初にあるのは、三途の川ならぬ「三途リバー」だ。
店のコンセプトは、死後の世界。しかし、お客からは…。
客
「ここに来ると、元気がもらえるので。本当、ここは良い所なんですよ」
客
「楽しんで、あの世に行けそうな感じがする」
店がある桐生市は、かつては織物の町として栄えた。近年は高齢化が進み、人口の65歳以上の割合を示す高齢化率は2024年には37%を超え、全国平均の29%を大幅に上回っている。
そんな桐生の高齢者の居場所を作ろうと、NPO法人が去年7月から月に一度始めたのが「冥土喫茶」だ。
メニューは200円のドリンクバーと、600円のメイド弁当の2種類。食事の前には、これだ。
冥土喫茶のメイド
「おいしくな~れ、喪(も)え喪(も)えキュン」
オープン以来、欠かさず通っている常連さんがいる。
桐生市在住の常連客(88)
「ここに来ると元気がもらえるからね、楽しい。うちにこもっちゃうと、ダメなんだけどね」
「(Q.今は、ひとり暮らし?)女房といるんだけど、女房は病気。だから、ここに来て喪え喪えやって」
店のコンセプトが話題となり、県外から来るお客もいるという。さらに、海外のメディアまで取材に来るほどの人気だ。
アラブ首長国連邦のテレビ特派員
「海外のテレビです」
■専業主婦からメイドに転身
オープンの時から勤務するデコさん(66)、ココさん(66)は、ブロマイドまであるレジェンド・メイドだ。桐生市で生まれ育った2人は、同い年の66歳。
デコさん
「大丈夫でした?こういう年代がフリフリで」
ココさん
「(Q.2人とも初めに着るとなった時は、どう思った?)私は抵抗があったんですけど、着た瞬間にも、ガラッと気持ちが変わりました」
デコさん
「私以上に楽しんでいます」
専業主婦だった小川さんは、娘の勧めでメイド喫茶を運営するNPOの活動に参加した。
ココさんの娘
「最初は『え~』という感じで。あんまり、進んでやりたいという感じではなかったんですけど、やり始めたら、とっても楽しそうで。今が一番生き生きしているんじゃないかな」
ココさん
「確かに!」
「この年になって働くというのは考えていなかったんですね。社会とのつながりは一番必要なのかなと思いますね」
冥土喫茶は、お客だけでなく、メイドたちの生きがいにもなっている。
運営するNPO法人は、次のように話している。
NPO法人キッズバレイ 横倉佑樹さん
「我々NPO法人キッズバレイの思いとしては、全国で同じような高齢者の居場所づくりをする人が増えていったり、冥土喫茶みたいな場所がどんどん各地で増えていってくれるといいなと思っています」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年3月3日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp