インバウンド需要が高まるなか、今「メイド・イン・ジャパン」の商品が注目されている。特に中国人観光客に人気の商品がある。日本と中国を取材した。
■大人気「直近1カ月で5000個以上売れている」
東京ビッグサイトで15日から始まっているのは、外国人観光客向けのグッズに特化した展示会だ。
外国人にも着やすい上下がセパレートされた着物。戦国武将・伊達政宗の甲冑(かっちゅう)をモチーフにした時計など、日本の伝統文化を意識したものが多く出展されている。
そんななか、ある日本企業が売り出した誰もが冷蔵庫に貼ったことがあるであろう「アレ」が外国人の間で人気なのだという。
番組がやってきたのは、渋谷ロフトだ。外国人観光客が手に取っていたのが…。
中国からの客
「友達にプレゼントとしてマグネットを買いたいなと思います」
そう、今大人気なのがマグネットだ。
中国からの客
「(Q.どうしてマグネットを選ばれたんですか?)一番日本を代表するものじゃないかな」
「(Q.きょうは、いくつ買いたいですか?)5~6個くらい。2人の友達に買います」
台湾からの客
「日本の絵が最高にすてきだと思ったからです」
日本を代表する富士山に、福岡の博多ラーメン。各地を代表するモノが描かれた、その名も「旅するマグネット」。なんでも、大人気のようで…。
渋谷ロフト ギフト雑貨フロアチーフ
児嶋佑香さん
「直近1カ月で5000個以上売れています」
翌日に富士山を見に行くというこちらの中国人カップルは…。
中国からの客
「これは通行人が描かれています。私たち2人のことかもしれませんね」
今回の取材中、マグネットを購入していたのは多くが中国人観光客だった。
■歴史や文化もデザイン…新しい旅のお土産を考案
実は中国では今、空前の「冷蔵庫用マグネット」ブームが起きているという。
ズラッと並んだマグネットの中でも人気なのが「北京ダック」のマグネット。いかにも中国人らしいユニークな発想だ。なぜ、これほどまでに中国人はマグネットに魅了されるのか?
20代
「この都市に来た記念になります。冷蔵庫に飾ってもいいし、取り出して見るだけで懐かしく感じるのです」
この人気に着目し、ユニークなマグネットを制作している会社がある。
ペノン 商品企画部 部長 杉本さん
「現在、日本ですとマグネットのお土産としてはユニークなものが少なくて。国内海外両方の観光客のお客様にお土産用として、メイド・イン・ジャパンにこだわったマグネットの開発を進めました」
この会社は、日本各地にいる「ご当地クリエイター」とタッグを組み、各地の観光名所だけではなく、歴史や文化などもデザインされた新しい旅のお土産を考案した。さらに…。
杉本さん
「いかにサスティナブルな要素を入れ込んで、かつメイド・イン・ジャパンで質にこだわってというところを軸にして、開発を進めていきました」
マグネットの土台には、プラスチックではなく伝統工芸品「美濃(みの)焼」の廃材を使用することで、メイド・イン・ジャパンのマグネットに。これが外国人に喜ばれる理由だという。
杉本さん
「日本には日本独自の観光地だったり、その土地の魅力がたくさんあるので。次の旅行先を決めていただいたりとか、それを買うために行っていただいたりとか、そういったところにもつながるといいなと思っています」
■デザインに込められた思い
中国でマグネットが人気の背景の1つには、「旅行はするが、お土産には金をかけられなくなった。今はその場所に行った証として比較的安いマグネットが人気」だという。
その中国人に人気の「旅するマグネット」のデザインだが、実際にどんなデザインがあるのか見ていく。
大下容子アナウンサーの地元・広島県のマグネットにデザインされているのは、瀬戸内の中央に位置する尾道市の「猫の細道」という石階段の風景だ。
あえて、あまり知られていない場所などをモチーフにすることで、新たな魅力を発信していきたいという思いが込められているそうだ。
そして、愛知県のマグネットには「小倉トースト」がデザインされている。
愛知県民の定番のご当地グルメを国内はもちろん、海外の人にも知ってもらいたいとのことだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年1月16日放送分より)
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